4期目の成果その3,6

4期目の成果その3,その6

空き家対策の抜本的な議論を挑み、数々の提案を受け入れてもらえました!

 総務省の発表によると2013年度時点で全国の空き家は820万戸に及んでおり、一気に社会問題化が加速した。
 野村総研の予測では2033年度には2167万個にまで漸増すると推計したぐらいです。
 空き家が増えることによりいろいろな問題が懸念されます。保安上の危険、衛生上有害なことが増える、そして景観上マイナスになることが増えることは間違いありません。

 本市に目を向けると、その縮図であることは自明です。多くの公営住宅(県営住宅を含む)の空き室と1,200件を超える空き家があります(うち老朽危険家屋は35件)。
 要因は「人口が減って住宅需要が減った」ことだけではありません!多様なニーズ、時代に合ったニーズにタイムリーに対応できていれば物件(建物または土地)は今以上に活用されているはずです。…住居や土地を求める人はいるし、店舗を探す人もいる。平戸に希望に合った物件がないからよそに求める人もいるんです。
 需要と供給の間のギャップにこそ、本市が総合的に把握すべき課題が潜んでいると私は考えます。…国(国土交通省)もこれまで以上に力を入れ始めた。これにどう呼応できるかもポイントとなると思います。


house まず、現状から推測される今後の空き家の増加予測。失礼ながら「現在高齢者だけで居住している住宅(約5,300世帯)」の多くはいずれ空き家になる可能性を含んでいる。そこからざっくり計算すると7割がそうなるとして約3,500世帯が空き家となり既存のものと合わせると数十年後には空き家は4,500戸になる脅威を共有しました。


house 住宅は「住む」か「貸す」か「壊して土地活用する」か「売る」のどれかを所有者のライフサイクルの中で判断して資産として活用していけばいいが、遠くに住んでいるとついつい先延ばしになってしまう。さらに維持管理のために交通費や修理費、業者委託費などを毎年数十万円払い続けるとなると逆に負債となってしまう。つまり、「活かせば資産、活かせないと負債(ヘタすると罰則)」という両極を強く意識し所有者の活用意識をもっと物件に近づけるような働きかけをしないと物件を動かすことはできない。ファイナンシャルプランニングが肝だと私は思うので「平戸の事業者と遠方の所有者を結びつけること」と「市の住宅相談窓口の機能アップすること」が大事だということを伝えました。さらに、国土交通省が「宅地建物取引業者が宅地または建物の売買等に関して受け取ることができる報酬の額」を一部改訂し、空き家などの売買または交換の媒介をする場合の特例」を設定したことにより「物件から遠方の不動産事業者もお手伝いできる」ようになったので物件所有者(例えば東京在住)が近くの不動産事業者に依頼しやすくなったことも伝えました。
 このような神経系の指摘はなかなか伝わりません。


house 空き家バンクの登録物件数が少ないので増やす努力も必要ということを伝えました…まぁこれは誰だって言えることでしょう。その上で「空き家バンクに登録してある物件の購入者には金利を優遇する制度」も提案しました。答弁は…まだまだ温度差がありました。


house それから「DIY賃貸」制度を提案し、受け入れられて制度化されました
 DIY賃貸とは「借り手が住宅を好きに改修していい賃貸住宅制度」のことです。住宅所有者は改修しないまま賃貸できるメリットがあります。改修にはまとまった費用が掛かることもあるのでそれが抑えられるのはありがたいこと。さらに改修しても借り手が現れなかったら改修費用はまるまる損しますからそれも避けられる。借り手も自分の好きなように改修できるので楽しいし、自分色にできる。また自費で改修しているので長く使うしきれいに使う。入居前より退去後の方が住居としての機能は高まることも多いらしい。
 ちなみにこのやりとりが新聞に掲載されました。

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house 老朽危険家屋が建っている物件を買ってくれる人がいれば課題は一気に解消します。その意味でおもしろい事例があります。
 老朽危険家屋を所有者が管理できないようなとき、その近隣住民に無償で譲渡すれば市から解体の補助金が出るという制度を導入している自治体があるのでそれを紹介し提案しました。

 昔から「家や土地を売るときはまず隣の人に相談せよ」というのが常識です。自分の土地が広がればそれだけ価値が高まるからです。
 この制度は、『老朽危険家屋の所有者は財産を放棄することで解体の義務も放棄できる』。
 『隣地の人は安い費用で敷地が広くなるのでうれしい』。
 『自治体は老朽危険家屋の解体が進めやすくなるのでうれしいし、見回りや危険防止などの業務から解放されるからうれしい』。
 『近隣住民は危険や不衛生から解放され景観もよくなるのでうれしい
という三方良し…いや四方良しの事業です。

 この提言も新聞に掲載されました。担当部長の反応はすこぶるよく私も手ごたえを感じたものです。



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 そして令和3年9月市議会の一般質問において、その後の検討状況について尋ねました。建設部長の答弁は以下のとおりです。

 平成29年12月の一般質問で、ご提案いただいた、「隣の人が家屋込みで土地を無償取得する制度」については、老朽危険空き家の解消に有効な手段であると考えております。
 これまでに、老朽危険空き家除却補助金を活用した土地については、10年間転売できなかった要件を廃止し、転売できるように緩和するなど補助金交付要綱の改正を重ねながら、老朽危険空き家の解消に努めてまいりました。
 しかし、除却補助金の活用については、老朽危険空き家の所有者等に重きを置いた推進をしてきたこともあり、隣接する方が家屋込みで土地を譲り受けた場合においても、除却補助金の活用ができることを促すような周知はこれまでしておりません。
 現状としましては、老朽危険空き家の所有者等からの相談があれば、不動産業者の紹介や空き家バンクへの登録などを助言したり、固定資産税の納税通知書の中に除却補助金や空き家バンク登録へのチラシを同封し、周知をしております。
 今後は、議員ご提案の制度活用を含め、広報誌で特集をするなど除却補助金について広く周知いたします。
 また、先般、全国的に空き家問題に精通した、全国古民家再生協会長崎と連携協定を締結しております。その下部組織には、市内の不動産業者などが会員として加入するようにしておりますので、その中で、空き家所有者と取得希望者との関りが持てないか十分協議し、今後も、時代に即した制度の研究などを行いながら、老朽危険空き家の解消に努めてまいります。


 市の制度というのは人間の体に例えると「骨、筋肉、神経」から構成されていると考えます。
 骨は理念、筋肉は組織や人材、そして神経はそれをつなぐ意識や情報。神経系を研ぎ澄ませば運用は飛躍的に進化できます。今後ともそのような視点で指摘を続ける所存です!



house 中古物件リフォーム市場を活性化させるべく、市が関われる仕組みを提案し、とても反応よく受け入れてもらえました。
 これは、住宅建設事業者に中古物件をリフォームしてもらい、それをモデルハウスとして開放し見学を受け付けて消費者に中古物件のリフォームの魅力をわかってもらうために、市がモデルハウス見学会の広告費用を出し、案内役を担ったりし、その中古物件の販売または新しいリフォーム契約に結び付ける仕組みです。
 中古物件の難点はやはり古さですので、「リフォームでここまできれいに頑丈になる!」ということがわかれば中古物件市場が一気に活発になるということを見込んでのことです。

 提案したときはすこぶる反応がよかったですが、令和3年9月市議会での一般質問で再確認したら現実的なところで少し苦戦している状況でした。

答弁骨子:議員の提案を受けて、市内建設業者と情報交換を行いました。その中では、①中古住宅の価格設定が高く、さらにリフォーム費用を加えると新築に近い価格になる、②間取りが決まっており、ターゲットを絞った改修になるが、購入希望者がいるかリスクがある、などの理由で、建築業者にモデルルームを作ってもらうことが、投資に見合わないとの考えでした。
 しかしながら、去る5月には、一般社団法人古民家再生協会長崎と「古民家再生による空き家活用促進に関する協定」を締結しており、今後、建築業者を含めた協議会を立ち上げていく(都市計画課担当で地域協働課も参加)中で、中古住宅の利活用について、議員の提案も含め継続して検討したいと考えております。

とのことでしたので私は以下のように伝えて今後の検討に供してもらうこととしました。


近藤:中古住宅売買においてはインスペクションが不可欠。インスペクションとは既存住宅(中古住宅)の外壁や基礎などの劣化状況や補修が必要な箇所を、住宅診断士(ホームインスペクター)が目視によって調査し、物件に関して客観的なアドバイスを行うこと。欧米では不動産売買の際には当たり前に行われているが、日本においても平成28年の宅建業法の一部改正によって注目度が高まり始め、改正法が施行された平成30年4月以降は、中古住宅の売買において急速に広まってきた。

 国としても住宅市場について「古い建物はどんどん取り壊して新築住宅をどんどん建てる」という「フロー型」から、「しっかりメンテナンスをして長期的に使用する」という「ストック型」へ転換しようとしており、インスペクションに関する宅建業法の改正はその第一歩であり、インスペクションを普及させることは国策であるとも言える。まだまだインスペクターが不足しているということも聞き及ぶ。インスペクターを増やすことを政策とすることもありかもしれない。

 また、「空き家の発生を抑制するための特別措置」が施行された。これは耐震構造義務化前(昭和56年5月31日以前)に建てられた家屋が空き家になったら更地にするか、または耐震補強して販売すると「売却代金からかかった経費を差し引いて、3000万円以内だったら、税金は0になる」という制度。相続を知った時から3年目の12月31日までに売る(2023年12月末が期限)などいくつかの急がせる条件もあり、この制度設計からわかるのは「空き家が発生したら早期に対策を講じること」であろう。これにより危険家屋の発生を根本から抑制できるので国は完全にそっちに政策の力点を置いてきたということ。本市においても呼応できる施策を展開していくべきだ。期待している!

 


 ふるさと平戸に所在する空き物件はもともとその所有者自身やご先祖様が暮らし営みを行った大事なご実家が多く、簡単に処分することには相当の抵抗感があるでしょう。一方でその大事なご実家がいつしか倒壊の危険や草木が生い茂りごみ捨て場になったり動物の住処になったり、犯罪や非行に使われたりして迷惑を生じる頭痛の種になってしまうことは避けなければなりません。
 空き家対策に抜本的な特効薬はありません。だからといって「難しい」と歩みを止めるのではなく、想定できるありとあらゆる対策を準備しておくことが必要であると理解しています。ゴーストタウンのような街並みを望んでいる人はいません。
 まずは住宅戦略を総合的に本気でマネジメントする機能を一つの部署に集約することが不可欠だと思います。今後の住宅総合戦略に向けた検討軸がかなり整理できたと自画自賛しています。