5期目の成果その20

⑳ 全児童生徒へのタブレット端末の配布を機に、長期に登校できない児童生徒に向け、授業のリモート受講ができるように提案し実現!(R4年度~)

 とても長い道のりでした。
 長期に登校できない児童生徒のために学校の授業をリモートで受講できる仕組みが「やっと」整いました。…やっとです。
私は、不登校や疾病などにより登校できない児童生徒に対してはこのような手厚い支援を行うべきだと思い長年提案を続けてきましたが、ついに実行できる環境が整い実際に運用が始まりました。

 まず、任期前(4期目)のことですが、令和3年3月の一般質問からの抜粋を掲載します。

【質問:近藤芳人議員】 かねてから私は不登校や入院時の学習支援にICT機器を活用すべきであるということを提案してきた。長期に学校を休んでしまうとそもそもの理由(例えばいじめや骨折など)とは全く違う「勉強がわからない」という事態に陥るケースが多い。学校復帰はもちろん、その後の進路にも大きく影響を与えてしまうからとても重大な問題だという認識から問い続けている。
再三主張してきて、これまでは遅々として進まなかったが、情報技術の進展で今や登校できない児童生徒に寄り添える時代となったと思う。ぜひ実現すべきだ。

【教育委員会】 GIGAスクール構想による1人1台の端末は、不登校傾向や病気等で長期欠席している児童生徒へも配布されます。自宅にインターネットに接続できる環境が必要ですが、有償のドリル学習型教材を利用して学び直しや学習のふり返りが可能です。取り組んだ学習履歴が教師用端末から確認できますので、ドリル学習型教材の機能を利用してアドバイスを配信できます。
また、無償の総合型ソフトの機能を利用し、画面を通して、学習問題や互いの顔を見ながら学習支援を行うことも可能です。
これまでは、紙のプリント等を配付し、後日回収、採点、アドバイスを記入したプリントを返却という学習支援でしたが、1人1台の端末とネットワーク、学習支援ソフトを利用することでリアルタイムに学習支援ができ、児童生徒の学びの保障ができます。
また、学習以外でも、顔を見ながらの健康観察や近況報告等も可能になります。メール機能も活用できます。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとのオンライン面談も可能になります。近藤議員が提案されたことも含めて、様々な活用方法等を研究し、できることから取り組んで参ります。
 


そして、令和3年9月に再追及しました。このときの教育長の答弁が以下のとおりです。

【教育長】 不登校傾向や長期にわたる入院せざるを得ない児童生徒に対するICT機器の活用については、GIGAスクール構想による1人1台端末が整備されたことにより実現できる環境が整いました。
現在の取組の一つとして、担任の先生が不登校傾向の生徒宅へ家庭訪問したときにモバイルパソコンの使い方を教えながら学習指導を行っている事例があります。今後は、モバイルパソコンを利用して不登校傾向の生徒が自らドリル教材等に取り組み、基礎学力を身につけること、家庭と学校を接続し、オンラインにより学級の様子を伝えたり、学習支援や授業に参加したりする機会を増やしていくことを計画しています。
これらの取組を検証し、不登校傾向や疾病等による入院している児童生徒の状況に応じてICT機器を活用した学びの保障を行って参ります
 

あと一歩のところまで詰めました。

で、任期代わって、今期、令和4年3月の一般質問でのやりとりが以下のとおりです。

【質問:近藤芳人議員】 平戸市でも1人1台の児童生徒への端末の配付が完了し、その後、どのような進捗になっているのか。特に家庭への持ち帰りがどのようになっているか?

【教育委員会】 平戸市小中学校ICT教育推進計画の平戸市ICT教育ビジョンに即した計画をもとに進めている。
 令和3年4月から、市内全ての小中学校において、1人1台のタブレット端末の使用が本格的に始まった。本年度(令和3年度)、1学期末までを『使えるようになる、あるいは使用に慣れる期間』、2学期からは『使用を工夫する、使い方を工夫する期間』、そして3学期からは『タブレット端末の家庭での使用』も始めた。
タブレット端末の持ち帰りは、昨年、近藤議員から御指摘があり、計画に明示した
 計画では、令和4年2学期をめどにしていたが、本年度(令和3年度)の3学期に前倒ししてできた。

【質問:近藤芳人議員】 ありがとうございます。やはり、計画に明示して、見える化した状態で、またそこからいかに早く実現に向かうかというところが共通の目標として掲げられて、結果が出ていると理解する。この後、十分使いこなせることを期待する。
 その意味で、家庭における通信の状況が大事になる。それの調査も提案し、実施していただいた。平戸市は70台のモバイルルーターを備えて『通信環境の設定が非常に困難な要保護、準要保護の御家庭に配付』し、9割以上の通信環境が整ったと理解する。
 そうであれば、次にはリモート学習の在り方が問われてくる。家庭にいながらオンラインでつながった状態での学習、またはオンライン形式での授業について、それぞれの進捗はどのような感じか?

【教育長】 夏休み期間中に7校、冬休み期間中に9校、タブレット端末を持ち帰り、オンライン学習、オンライン授業の動作確認、機器が使えるかどうかの動作確認を行った。その他の学校でも2学期中に全ての家庭で週末にタブレット端末を持ち帰り、オンライン学習の動作確認を済ませた。3学期からは、要保護、準要保護世帯でWi─Fi環境が未整備の世帯にルーターを貸し出しており、家庭でドリル学習に取り組んだり、教師から送信された課題を解いたり、回答を教師へ送信するオンライン学習もスタートした。
 オンライン授業については、保護者の了承を前提として、休んでいる子に関しては朝のオンライン健康観察。健康観察の折に、オンライン授業を行う教科や時間帯を伝えた上で実施する学校が多い。そのような形でやっている中学校が多い。
 1月から2月の期間中、新型コロナウイルス感染症により、長期療養、自宅待機になった児童生徒が在籍する11校中9校でオンライン授業を実施スタートした。オンライン学習については10校という報告を受けている。不登校児童生徒が在籍する8校33校でオンライン授業、5校でオンライン学習を実施している。別室登校している生徒には、タブレットによるオンライン授業、オンライン学習を行うこともある。また、適応指導教室のぞみにも、Wi─Fi環境を整えたので、オンライン学習を行っている。
 それから、長期入院児童生徒は、Wi─Fi利用可能な病院であればオンライン授業、オンライン学習が可能。ただし、不登校の児童生徒及び長期入院児童生徒は様々な理由があるので、その状況によっては参加を強く促すということもできない場合もある

【質問:近藤芳人議員】 着々とこのオンライン学習とオンライン授業が現実的に実現に向かっていると理解した。
 このことについては、私も持論として、10年以上前からずっと提案し続けてきた。登校できない状況になってしまっている子供さんたち、要するに不登校の状態だったり病欠/入院をしている人、または保健室までしか行けない人、適用指導教室に通級している人など…なくなることを祈りたいが、何らかの理由や状況で、そうなる可能性は常にある。
 人生の中で非常に多感で、今後の進路に大事な影響を及ぼす大事な時期に、ほんのちょっと人間関係や病気けがでつまづいただけでしばらく学校に行けなくて、学校にいけないがために勉強が分からなくなる、いうなれば「2次影響」もある。学校に行けない元々の理由と違って、休んでいる間に勉強が分からなくなって、授業が、そして学校がおもしろくなくなってしまう。そういった問題をなくすためにも、早くIT環境を整えて対応ができないかというのを、私は前々から言ってきた。「やっとできるところまできた!」という感慨もある一方、「もっと早く実現すれば救えた子もいたかもしれない」という複雑な気持ちでいる。そして、やはり、平戸市がこういったことに早く取り組めば取り組んだだけ市内外に対する評価は大きく違っただろうなと思うと残念さも感じるところではある。
いろいろ言ったが、これからは…十分状況が整ったので、本当に一人でも救える子を救ってもらいたいという思いを伝えてこの質問を終わりにする。
 


 私は昨年度まで約30年間、学習塾を経営していた。通常の授業だけではなく、不登校状態にある中学生に対して保護者から請われて個人授業をしてあげることが何度もあったし、生徒の心情もそれぞれに聞かせてもらうことで彼ら目線の辛さが一定理解できているつもりである。
 私もそれを肩に背負って市町村合併直後からかれこれ20年近く「リモート授業の必要性」を訴えてきた。
 初期のころは「プリントをあげている」という答弁や「すべての学校クラスやご家庭に機器が揃わないと不平等だからできない」とか「安易にリモート授業を行うと授業に出ない児童生徒が増えるかもしれない」という(私としては耳を疑うような)答弁も得たことがあった。眠れないぐらいの憤りにさいなまれたこともあった。

 ここに来て、一気に動いたのは「GIGAスクール構想」とそれに伴う「1人一台タブレット配布」そして「コロナ禍」が大きな要因となった。
 一気に動き出した。
 皮肉なことに議員ひとりの提案力の力の限界とともに「黒船が来たらすぐ動く体質」も見せられた気がする。

 同時に、そんな流れの中でも「タブレットの持ち帰り許可」と「各家庭のWi-Fi環境調査と未整備家庭への支援」を提案し、またそれを「計画の中に明示する」ことを提言したことで現実的な提案とできたことは自分なりに「これがあったから実現できた」という自負がある。


【私の目指すゴール】
 「仕組みはまずできた」ので次は「質の高い運用」を期待する。
 通常の授業でのタブレットの使い方もまだまだ確立はできていない。試行錯誤なのはよくわかるので、それを早く全市的にフィードバックしてソフトウェアとヒューマンウェアをアップデートしていってほしい。
 まだまだCAE(Computer Aided Education)は緒に就いたばかりと位置付けてあげて、今後の改良に心から期待する。特に離島へき地を多く抱える少子化の進む本市において、いかに質の高い学びを仕組めるか、都市部と見えない格差をどう埋めるか、本気で「平戸ならではの学びのあり方を模索すべし」と思っている。これは入試のためのテクニックを学ぶのとは違う、人としてどう学びを習慣化して味わい方を学ぶか、だと思っている。そして個人戦になってしまう受験戦争の勝者ではなく、複数人の個性を活かして共有する目標を実現する力を持つ人物を育める土壌を作っていきたい。